「いざ」の知識、あってこそ ~春の防災訓練~
学内近況
4月30日、春の強い風が吹きつつも、朝の雨があがって青空が見える中、
春の防災訓練が行われました。
今回の設定は地震。
新入生もこれまで幾度となく体験してきた防災訓練であっても、
今回は「看護学生」として臨む初めての訓練に。
今回、1学年は2次、3次避難場所へも徒歩で向かい、その場所を確認。
全学年で安否確認一斉メールの送受信、災害備蓄物品のチェックを行って、
無事に訓練は終わりました。
東日本大震災から10年目の今年。
あの日、八戸看護専門学校は卒業式が終わり、解散しようとしていたところでした。
急いで学校に戻ると、見下ろす幹線道路には津波が見え、
寮生は避難所へ身を寄せるなどして、各自が精一杯この災害を乗り越えました。
また、学内も棚の倒壊など損害を被りました。
避難所の中学校で過ごした40名ほどの八看学生の中には、
停電の校内で率先して懐中電灯で廊下やトイレを照らす男子学生、
食料を支給する学生、玄関の乱雑な靴を並べ清掃する学生の姿がありました。
何も指示しなくても動くその姿に、あの場での不安な気持ちが、
誇らしく温かな気持ちに変わっていったのを今でも鮮明に覚えています。
「自分達でできることを自主的に見つけ行動する」「他者を思いやる」
「誰かのために動く」、
これらは訓練のみならず、学びで培ってきた知識、意識あってこそです。
「いざ」というときの行動は普段の意識、経験、知識、学びから生まれる。
これから看護の場に立つ、それを志す一人として、
自分の安全のみならず、他者に向ける温かさと強さを兼ね備える「いざ」の知識、
磨いていきたいものですね。